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中央競馬が明かすノウハウ

けれど先を見据えた時に、そのままでは生き残れないのではないかと考えたこと、何より自分自身がそれまでの創作料理ではおいしいと思えなくなっていたことからの決断でした。
成果報酬の導入や組織のスリム化なども、第三者からするととても大胆な決断に見えたようです。 もう一つ重要なのは、いかに説得力のある話し方ができるかということです。
無茶に思えることでも全社員を納得させてやっていかなければならない時というのがあるものです。 先述した「庵」の方向転換や組織のスリム化といった事項は、人を介さなければできないことばかりであって、私一人で実行できるものではありません。
ひとたび「会社体系をこう変えるぞ!」と私が言ったなら、従業員は喜んでついていこうと言ってくれる。 その自信があるからこそ動けるのです。
そうした素地は一朝一夕につくれるものではありません。 Kという人間は結構やんちゃですから、やんちゃをしたいがために、日々苦労しているのです。

日頃からの従業員への接し方、信頼関係。 それができているから、突然に伝える決断でも一糸乱れず実行に移すことができるのでしょう。
オーナーやチーフには、まず大胆さと、それを可能にする日々の努力が必要だと思います。 そうした時、オーナーの話し方に説得力がなかったら、部下はついてきてくれません。
私は一九八九年に創業店「食べて得する居酒屋庵」を始める際、師と仰ぐ人物から「自問自答をする訓練をしろ」と言われました。 「K、前のめりになるくらい相手を引き込める説得ができるか?できるようになるためには、どないしたらいいと思う?」当時の私には見当がつきません。
「人にものを言う前に、まず自問自答せい。 咀嚼せい。
そうすれば、いろんな味が出てくるはずや。 咀嚼せずに薄っぺらい言葉を吐いても、思い迄伝えることはできん。

けれど噛み砕いてから口に出せば、それは相手の心の奥深くまで届くんや。 その極意を勉強せい、阿呆!」。
そうやって何度も叱咤されました。 いま私は、自分の考え方を必ず反復するようにしています。
Aさんにこんなことを言ったらこういう質問が返ってくるかもしれない、Bさんに言ったら「そうですか」で終わってしまうかもしれない、Cさんに言ったらこういう切り口になるかもしれない。 それを常に考え、くり返して、自分の中で磨きをかけていくのです。
磨いても光らないアイデアであれば、途中で捨ててしまう。 そうやって考え抜いて光ったものだけを言うようにしているのです。

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